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GoToトラベルキャンペーンで、身に覚えのない69連泊…。知らぬ間に勝手に宿泊したことにされた人が相次いでいるこの問題で、新たな証言を得ることができた。 「名前を貸した」 「GoTo絡みの“不可解なプラン”に参加した」 関係者は、何を語ったのか。 私たちはある男性に出会った。 情報提供者の男性 「僕知ってるんで、こういうことだよって」 GoToトラベルを巡る、不可解な出来事…。そのカラクリを知るという男性が現れた。私たちの調査は、別の男性に届いた、一通の手紙から始まった。差出人はGoToトラベル事務局。 男性 「10月20日から12月28日までの69連泊」 男性と妻が、都内のホテルに去年、69連泊したかどうかを確認する手紙だった。そんな覚えは全くなく、見ず知らずのホテルだった。GoToトラベルを利用すると、旅先で使えるクーポン券とあわせて、宿泊料金の最大半額が国から補助される。身に覚えのない69連泊。誰かが夫婦の名を騙ってホテルに泊まり、GoToを利用したのか。男性が、ホテルに電話すると…。 ホテルの担当者 「お待たせしております、確認取れまして。確かに●●●様で入られていた。お間違いないですか?」 69泊の確認を求められた男性 「実は、私と妻、この期間の69泊なんですけど、実際には宿泊したこともないんですよ」 ホテルの担当者 「あっ、左様でございますか」 ホテルには、夫婦が69連泊した記録が確かにあるという。取材を続けると、夫婦とは全く関係のない都内にある会社A社が、夫婦の名前で宿泊予約を入れていたことが分かった。私たちの取材にA社は、社員などにテレワークをさせるため、都内のホテルの客室を団体予約し、その際に誤って夫婦の名前を使ってしまったと回答した。 記者 「初めまして」 ところが、A社の説明は「事実と異なる」という証言が飛び出した。証言したのは、A社の関係者。 ■“69連泊予約”の会社元従業員「名前を貸した」 A社の関係者 「ひたすら名前だけ貸してくれっていうのは言ってましたね」「お金は払わなくていいよって、泊まる必要はないけども、泊まりたかったら泊まっていいよっていうのは当時から言ってました」 A社の幹部が去年、「実際には泊まらなくてもいいから、宿泊者として名前を貸してほしい」と、社員らに頼んでいるのを目にしたという。実際に名前を貸した元従業員にも話を聞くことができた。 元従業員 「幹部から「GoToトラベルを使って宿泊して欲しいホテルがあるので、名前を貸してくれ」と頼まれた」「宿泊代は全額会社が払うと言っていた」 元従業員は渋々了承したが、幹部から、どのホテルを予約したかを聞かされなかったため、泊まろうにも泊れなかったという。そしてこの元従業員にも、名前を勝手に使われたあの夫婦と同じ内容の手紙が、GoTo事務局から届いた。夫婦と全く同じ期間、同じホテルに、69連泊したことになっていた。 元従業員 「大丈夫だろうかと疑問に思ったが、幹部の頼みなので断れなかった」「今思えば、不正に関与してしまったと反省している」 証言が事実なら、なぜA社は実際には宿泊しない人たちの名前を集めたのか。私たちは再度、A社に取材を申し込んだ。 「テレワークなどのために客室を抑えた」と、これまでと同様の主張を繰り返したうえで、「名前を貸してくれ」、「宿泊しなくても良い」という案内をしたことは無いと回答。ただ、GoToトラベルの給付金については、「調査を行った結果を踏まえ、適切な内容で申請し直すなど対処する」としている。 ■「タダで宿泊できる」GoTo絡み“秘密のプラン” さらに、問題の広がりを示唆する新証言が。 男性 「何ですかね、正義感ですかね。僕知ってるんで。こういうことなんだよって」 前回の放送を見たある男性が、TBSインサイダーズに情報を寄せてくれた。この男性は去年11月ごろ、GoToトラベル絡みの“不可解な”プランへの参加と参加者集めを、ある知り合いから頼まれた。それは―。 GoTo“不可解プラン”の参加者 「GoTo絡みのタダで、宿泊できてそれでまたキャッシュバックが10万円付くものがあるから」「50人ぐらいは最低何とかして欲しいっていうような形で頼まれましたね」「10人で100万、50人だったら500万」 その知り合いは、タダでホテルに宿泊でき、参加した人は全員10万円ずつもらえるという。私たちは、そのプランのパンフレットを入手した。コンフィデンシャル=秘密の文字。無料と書かれているが、10万円がもらえるとは書かれていない。ホテルに泊まってビジネス動画を見て学ぶ、宿泊付き研修プログラムという。内容だが、男性は、知り合いに勧誘された際、こう言われたという。 GoTo“不可解プラン”の参加者 「実際そこは誰にも監視されてないんで。ただ建前上は見たっていうことにしといてくれ。泊まっても泊まらなくてもいい」 男性は、ネットで参加を申し込んだ。宿泊期間は85泊を選択。毎日研修ビデオを見るつもりもなく、泊るつもりもなかったが「毎日教材を実施」「必ず指定する宿泊施設を利用する」にチェックを入れた。また男性は、知人10数人を誘い、それぞれが85連泊分を申し込んだという。 こうした宿泊者集めがされる中で、第三者の名前が勝手に使われるケースがあったのではないかと、男性は推測する。その後、男性に宿泊開始日と、ホテル名を連絡するメールが届いた。 「11月24日」 GoTo“不可解プラン”の参加者 「ホテルに行って名前を名乗るわけです。何とかさんですねって言ってすぐカードキーを渡してもらって、それでもチェックインは終わりです。証明書とか一切提示を求められてないですね」 名前を名乗るだけで記帳などの手続きは無く、宿泊料金の支払いは求められなかったという。 GoTo“不可解プラン”の参加者 「実際に宿泊は私の方は1回もして一泊もしてないですね」 ホテルに一泊もしないまま、12月になると、またメールが届いた。12月28日午前中までにホテルの鍵を返却しろという。なぜなのか。 GoTo“不可解プラン”の参加者 「多分これ年末にかかると12月ぐらいで多分GoTo禁止になったと思うんですよ」 政府が去年12月28日からGoToトラベルを休止。そのタイミングで、プランは打ち切られたという。10万円はもらえていない。取材の1週間後、男性から再び連絡が…。 GoTo“不可解プラン”の参加者 「きのう自宅の方に手紙が届いていまして。GoToトラベルの事務局から」 男性がそのホテルに本当に連泊したかを確認する手紙だった。そこに記された数字を見て、男性は驚いた。1泊4万円の計算で、GoToの給付金が申請されていたのだ。 GoTo“不可解プラン”の参加者 「全然普通のビジネスホテルで1万円切るのが当たり前みたいなホテルなのでちょっとビックリ」 GoToトラベルの給付金は、宿泊代の最大半額まで補助されるが、1人1泊2万円までと上限が決められていた。1泊4万円で泊まれば、上限額いっぱいの2万円が補助される。男性は38泊したことになっているため、76万円が支給されることになる。男性が誘った知人10数人分をあわせると…。 GoTo“不可解プラン”の参加者 「僕なんかレベルで1000万円超えている」「あとになってみれば良くない話かなと思いますけどね。最初からこういう話でこれだけ利益があってなんて聞いていたらだれも協力しない」 この不可解なプランを企画した会社に取材を申し込んだ。すると…。 企画した会社は取材に対し、「参加者の募集については当社とつながりのある代理店に依頼した」としたうえで「当社が、実際には宿泊しなくとも良いと説明したり、名義貸しを求めたりした事実は一切ない」と回答。「GoToキャンペーンでタダでホテルに泊まれて10万円もらえる」などと参加者を勧誘したこともないと説明した。またホテルは、「このプランを企画した会社との取引は無い」と回答している。(28日20:10)
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