
2021年下半期、注目の新人作家のデビュー作が登場する。
11月17日(水)に発売になる小説『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)は、第11回アガサ・クリスティー賞大賞を受賞。史上初、選考委員全員が満点を与えた逢坂冬馬氏のデビュー長編だ。 本作は、第二次世界大戦中の独ソ戦が舞台。女性だけの狙撃小隊に配属された少女セラフィマを軸に、女性も男性とともに戦争の最前線で戦ったソ連兵士たちの生と死の物語が描かれる。 凄惨な戦争の姿を描きながら、緻密に考え抜かれたプロット、人物造形、そして妥協なき考証とディテールと圧倒的なリーダビリティで、デビュー作ですでに完成されているとまで言われる本作。 その作品世界の構築とアイデアの源泉について著者・逢坂冬馬氏に話を聞いた。 (取材・文・撮影=すずきたけし)
――アガサ・クリスティー賞大賞受賞おめでとうございます。まずは、受賞について今のお気持ちを聞かせてください。 逢坂冬馬(以下、逢坂氏) 受賞してからまだ3か月ですが、その間にも改稿とゲラ直しがあり本当に疾風怒涛でした。実はまだ喜びを噛みしめている感じではなくて、これは現実なのか? と思っているうちにプルーフ(販売前に書店などに配布される見本)が出たりとか、初版の数字がどーんと公表されたりして、それが今は頭の上に圧し掛かっています(笑)。けれどもクリスティー賞の選考委員の北上次郎先生、鴻巣友季子先生、法月綸太郎先生、清水編集長(ミステリマガジン編集長)の皆さまの講評を聞くことができ、本当に細部まで読み込んでいただいたことに感謝しています。またプルーフを読んだ書店員の皆さんの感想や、すでに販売コーナーまで作っていただいている書店さんもあり、やっと喜びの実感が湧いてきたという感じですね。 ――作品を応募するにあたってアガサ・クリスティー賞を選んだ理由はなんだったのでしょうか。 逢坂 月村了衛先生の「機龍警察」シリーズや小川一水先生の「天冥の標」シリーズ好きで全部読んでいまして、翻訳ではディーリア・オーエンズ先生の『ザリガニの鳴くところ』も好きですし、劉慈欣先生の『三体』なんて地球を征服しそうな勢いなんですが、そうした好きな小説を出している早川書房は、知的で興奮できてそして良識がある。この3つがそろった出版社のラインナップに自分の作品が並べられたらどんなにいいかと思っていました。 また、アガサ・クリスティー賞はとても懐が深い賞で、この作品のように原稿用紙800枚までの長大な作品でもOKだよという賞はなかなかないし、ミステリーから冒険小説まで幅広いジャンルの作品を見てくれる賞もなかなかない。ですからクリスティー賞を獲りたかったですし、私の作品はクリスティー賞しかない、早川書房から本を出すんだという気持ちでした。 「クリスティー賞は懐が深いし、早川書房は応募作品をちゃんと読んでくれますよ」と、小説家志望の人たちに強く言いたいです(笑)。
からの記事と詳細 ( 史上初、選考委員全員が5点満点! アガサ・クリスティー賞大賞受賞作『同志少女よ、敵を撃て』。女性狙撃小隊の生と死の物語(ダ・ヴィンチニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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