
「ドラフト」が終わって、アマチュア野球の現場は、むしろ「秋本番」を迎えている。 10月の中旬からちょうど今ごろにかけては、各県の秋季大会を勝ち上がったチームによって、「地区大会」があちこちで開催される。 【貴重写真】ガリガリな柳田・大谷の17~18歳。ヤンチャそうな坂本&マー君、超無名な頃の甲斐キャノンに山本由伸…名選手90人超の高校時代 北海道大会から始まって、同じような時期に全国あちこちで行われるので、「分身の術」を使えない当方としてはどこへ行ったらよいものか、毎年、頭を悩ませる。 今回は「関東大会」の行われている土浦と水戸の球場に行ってみた。 久しぶりの「有観客」の大会に、ネット裏は試合までまだ30分以上もあるのに、もういっぱいだ。ネット裏はかなり密になっていたが、それでも皆さん、なんとなく1人分ずつ席を空けて座っていて、そうすることが、球場の新しい「マナー」になっているように見える。 そういえば、ここへ来る時の、水戸の駅のバス乗り場だ。何人かの年配の男の人たちが、代わるがわるに何かをのぞき込んでは、言葉を交わしている。バスの時刻表だった。 せいぜい1時間に1本しか来ない球場行きのバスが、ほんとに来るのかどうなのか、調べてきた発車時刻に間違いはないのか、みんなで心配している。 高校野球の試合があって、球場に行けばそれを見られる……そんな日を、みんなが待っていたのだ。
プロ野球スカウトも「なんですか、あの1年生は!」
この秋の関東大会、東海大相模は百崎蒼生遊撃手(1年)のひとり舞台のように見える。この日は木更津総合との準々決勝(結果は1-4で東海大相模の負け)。 178cm73kg、熊本のボーイズ当時から将来を嘱望された逸材だったそうだ。そのせいだろうか、新チームの秋で2年生もいるのに、この1年生がチームでいちばん堂々と野球をやっているように見える。 ダグアウトからの指示には、いちいち「ハイ、オーライ!」と大きく返して、投手と向き合って間が合わないと、堂々とタイムを要求して、いったん打席を外す。自分のリズムで投手と向き合って、先に構えに入って待ち構えるあたりは、経験を積んだ「3年生」にしか見えない。 守備では正面の強いゴロにも、捕球点を「前」に求めて、決して打球を待たない。それでいて、きっちりタイミングを合わせて捕球点を作る。三遊間のゴロをダイビングキャッチしてすぐに立ち上がり、三塁に向かった走者を刺したプレーの「とっさ力」がすばらしい。 そういえば、1つ前の花咲徳栄(埼玉)との試合では、1試合5安打と打ちまくった百崎。 「左方向ばっかりじゃないか……」と眉をひそめた人もいたにはいたが、1試合に5本のヒットを打って走りまくり、しかも動きの激しいショートのポジションを守り通した心身のタフさはすごい。 「なんですか、あの1年生は。9回の守りでも、まだキレッキレですよ。すごいなあ!」 いつもは選手を誉めないそのスカウトも、舌を巻いている。
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