
夫婦関係の「後悔」
昨年1月、鶴田美紀さん(77歳・仮名)は、初めて夫の書斎の一番上の引き出しをあけた。夫(79歳)が肺がんで入院し、妻の鶴田さんが印鑑や通帳などを取ってくることになったのだ。 【写真】125万人が忘れている「申請しないともらえない年金」をご存知ですか 不動産の権利証や印鑑登録証明書など重要書類を確かめながら、鶴田さんは「医療保険の書類もある」という夫の言葉を思い出した。確かに、古い保険証券があった。 「夫は『給付金がもらえるはず』と言っていました。ところが、保険会社に連絡してみたところ、『契約が古く、支払いの対象に当たらない』と言われてしまったのです」 病床で「そんなはずはないんだが」と口ごもる夫を、鶴田さんはつい責めてしまった。 「なんで内容を見直しておかなかったの。介護も必要になるかもしれないのに、こんな保険にいくら払ったの!」 「俺のカネなんだから、好きにしたっていいじゃないか」 水掛け論に耐えかねた鶴田さんは「知らないわよ」と言って、病室を飛び出した。 これまでなら、「夫婦喧嘩は犬も食わない」ではないが、時間が過ぎるのとともに自然と関係も元通りになったかもしれない。 だが、鶴田さんの場合は違った。
義母と嫁の「不仲」
「口論の翌日から、夫の容態が急激に悪化していき、そのまま息を引き取ったのです。もっと早い段階でどんな保険に入っているかの確認をしていれば、感情的なしこりが残ったまま最後を迎えずに済んだはずです。謝りたくても、この世にいないのでは、どうしようもありません」(鶴田さん) 人生の終わりがいつやってくるか、それは誰にも分からない。一度、失敗をすれば、やり直しはきかない。 だからこそ「最後の10年間」に夫婦で失敗しがちなポイントはすべて知っておきたい。経験者の声を「他山の石」にして、悲惨な最後を辿らないようにしよう。 子はかすがいというが、子や孫との関係がかえって夫婦の仲をぎくしゃくさせることもある。埼玉県に住む土方啓二さん(72歳・仮名)は語る。 「長男夫婦が家を建てたいと言い始め、頭金の相談をされたんです。退職金も手付かずで残っていたし、1000万円くらいならいいと思ったのですが……。ひとつ懸念がありました」 それは妻と、長男の嫁の仲が険悪なことだ。妻に相談すれば「おカネなんて出さないわよ」と断られるに決まっている。 「だから私は、妻に黙って私の口座から頭金を出してあげたんです。妻はどうか知りませんが、私はやっぱり長男夫婦を助けてあげたかった」(土方さん) しかしふとしたときに、長男が「父さんのおかげで、いい家が買えた」と口をすべらせてしまい、勝手に贈与をしたことが妻にバレてしまった。 そして悲劇が起きたのだった――。 ---------- 【後半記事はこちら】→『定年後「田舎のログハウス暮らし」を叶えた夫婦を待っていた「地獄の日々」』 ----------
週刊現代(講談社)
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