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Friday, March 4, 2022

「三国志」に学ぶ日本外交の活路:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

写真・図版

 中国の後漢末期から群雄割拠するなかで繰り広げられた「三国志」。覇を争った魏・呉・蜀の三国による攻防に胸躍らせ、武勇、知謀に秀でた英雄に感嘆し、信義を貫く人物に心ひかれ、非道や背信、諫言(かんげん)より甘言に流される振る舞いを戒めとする――。

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 時空を超えて、この歴史舞台と人間ドラマに胸ときめかせる人は私だけではないでしょう。三国志ファンには、岩波文庫の「完訳 三国志」や吉川英治「三国志」、NHKの人形劇三国志、漫画やゲームなど、その入り口は様々あるようです。私は中学生時代に岩波を読んだのが最初で、幾度も読み返していますが、面白いのは、経験と年を重ねるにつれ、その都度、三国志の中で魅了される人物が変化し、新たな自分を再発見できることです。三国志はそんな生き様を考える材料を与えてくれるだけではありません。最近、外交・安全保障を取材するなかで常々思うのは、いまの外交・安全保障を考えるうえでもヒントを与えてくれる。米中対立など複雑な国際情勢で立ち振る舞うには、日本にも「三国志」的発想が求められる。そんな思いを強くしています。

米国での知名度は

 中国は何を考え、何を達成しようとしているのか。最近は、米国の大学の安全保障や外交の授業では、軍事専門家クラウゼビッツの「戦争論」に加え、中国の「孫子」を扱うことが増えてきています。私が2013年から留学していた米国防大学でも「孫子」を教えていました。確かに「戦わずして勝つ」など、孫子の兵法は中国の発想や出方を探るうえで、よいテキストになるでしょう。しかし、「孫子」に比べ、「三国志(Three Kingdom Story)」は米国でほとんど知られていないのに驚きました。

 授業で「孫子もよいが、三国志こそ学ぶべきではないか」と私が発言すると、授業に参加していた軍人や官僚がぽかんと口を開け、「三国志」とは何か、上手でもない英語で説明するのにえらく苦労したのを覚えています。なぜ三国志なのか。単に、魏の曹操が孫子に着目し、注釈をつけたものが、世に出た「孫子の兵法」の原典になっているということだけではありません。米国の対立構図のとらえ方が、常に「敵か、味方か」という二元論発想が強いように思えたからでした。

 東西冷戦の当時、ソ連を「敵」と見ていた米国は、ソ連のアフガニスタン侵攻で、間接的に「敵の敵」であるイスラム主義勢力を支援。後に米同時多発テロの首謀者とされるオサマ・ビンラディン氏が、米国に牙をむくことになります。イランを敵視する米国は、それに対抗させるべく、隣国イラクのサダム・フセイン政権を支援。当時、米特使としてイラクを訪れ、フセイン大統領と握手したラムズフェルド氏が、後のブッシュ政権の国防長官としてイラク戦争を指揮することになるとは、誰が想像したでしょうか。この米国の「二元論」的発想は、中国映画が「三国志」を題材に、「世界に通用する映画」を目指して製作したという「レッドクリフ」にも表れているように思います。

■三国志、映画「レッドクリフ…

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Wednesday, March 2, 2022

【解説】 プーチン氏、誤算でいっそう強硬策に出る可能性 ウクライナの激しい抵抗 - BBCニュース

ジョン・シンプソン、世界情勢担当編集長

Burnt out armoured vehicle on the outskirts of Kyiv

画像提供, Getty Images

ウクライナは侵攻の1週目、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が思っていたより、またはロシア軍司令官たちが彼に言っていたより、ずっと強力な反撃をみせている。しかしこれはまだ、醜い戦争になりうる戦いの初期段階でしかない。

プーチン氏はロシア軍が侵攻して数日で、首都キーウ(キエフ)は陥落すると思っていたはずだ。そして、歴史的にロシアの一部だと彼が主張している領土を奪還したことについて、西側諸国はおびえ、分裂し、受け入れると考えていたはずだ。

そうはならなかった。ウクライナはしぶとく、西側諸国(特にドイツ)の反応は想定外に激しかった。ロシア経済にはすでに深刻な影響が出ている。プーチン氏の有力な友人である中国は、西側の怒りがいつか自国に向けられ、中国経済に大打撃を及ぼすのではないかと心配しているように見える。今回の侵攻からはすでに距離を置いている。

対照的に、北大西洋条約機構(NATO)は力を増す可能性がある。フィンランドとスウェーデンは共に、自衛のためにNATOに加盟するかもしれない。プーチン氏は今回の戦争を、ウクライナのNATO加盟を実現させないために始めた。しかし、ロシアと北西で国境を接する国などがNATOに加盟する結果になるかもしれない。

これらはどれもプーチン氏にとって痛手となる。彼自身の計算違いが原因で、新型コロナウイルスで自ら隔離していた時期に決定したものだった。彼は限られた側近にしか会わず、側近らは彼が聞きたいことだけ伝えたのではないか。いま彼は、別の選択肢を探ることになる。彼ははねつけられても、決して後ずさりはしてこなかった。さらに強くやり返す。そして、彼にはそのための兵器がある。

ウクライナの駐米大使は、ロシアがすでに気化爆弾(サーモバリック爆弾)を使ったと主張している。「真空爆弾」と呼ばれ、酸素を吸収して高温の爆発を発生させるものだ。現在のような状況に置かれた大使は一般に過激な主張をするものだが、ロシアの気化爆弾発射台がウクライナに向けて運ばれている映像を、私たちはすでに目にしている。アナリストらは、もっと多く使用されるのは時間の問題だろうとしている。

People help a wounded woman in Kharkiv, Ukraine, 1 March 2022

画像提供, EPA

写真からは、クラスター爆弾がハルキウ(ハリコフ)で民間人に対して使用された疑いもうかがえる。これら「小型爆弾」が降り注げば、広い範囲で人々は破片を浴び、恐ろしいけがを負う。クラスター爆弾は2008年に国際条約で使用が禁止されている。しかしロシアは署名しておらず、国際人権法に則って使用していると主張している。ハルキウ市民はこの説明を受け入れないかもしれない。

プーチン氏は、非常に危険な兵器の使用をまったくためらわない。2006年にロンドンで起きた、元KBG将校アレクサンドル・リトヴィネンコ氏の毒殺事件では、放射性物質ポロニウムの使用を承認したとみられている。2018年に英南部ソールズベリーで、ロシアの元スパイのセルゲイ・スクリパリ氏をロシア軍情報機関が有毒の神経剤ノビチョクで襲撃することにも、同意した可能性が高い。スクリパル氏は助かったが、神経剤にさらされた女性ドーン・スタージェス氏が死亡した。

まったく罪のない民間人が危機に置かれることを、プーチン氏は気にかけていないように思われる。前述の事案は計画的暗殺で、現在ウクライナで繰り広げられている広範囲な攻撃と異なる。それでも原則は同じだ。ロシアの国益が脅かされる場合、民間人の命は問題にならない。

The house in Salisbury where Sergei Skripal lived

画像提供, Getty Images

ウクライナで思い通りにいかない場合、プーチン氏は核兵器を使う準備を進めるのだろうか。可能性はある。ただ、大半のアナリストたちは、その段階にはまだ至っていないとみている。プーチン氏は確かに、ウクライナに介入しようとする部外者は過去に見たことないような結果に見舞われると、暗い言葉を唱えた。ロシアがない世界に存在理由はあるのか、という考えも、繰り返し示している。とはいえ、核を使った衝突は、NATOがとんでもない計算違いをしなければ、近づくことはない。

歴史は繰り返すのかもしれない。1939年、スターリンはフィンランドを攻撃した。数日で陥落すると考えていた。しかしフィンランドは反撃し、ロシア軍は面目をつぶされた。冬戦争と呼ばれたこの戦いは1年近く続いた。フィンランドは領土を失ったが、独立は維持した。ウクライナの戦争が似たような形で終わる可能性はある。

この戦争はまだ初期段階だ。ウクライナがこれまで持ちこたえるからといって、ロシアの全面侵攻に長く耐えられるとは限らない。それでも、第1ラウンドは疑いなく、ウクライナにとってうまくいった。西側の対応は、大方の予想よりずっと断固としたものとなっている。プーチン氏の予想を含めて。

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