
また菅田将暉? との声も聞かれた来年1月スタートの月9「ミステリと言う勿れ」。人気漫画を原作とし、実写化に期待を寄せるファンも多かったようだ。かくいう筆者も愛読者。原作が素晴らしいだけに、映像になった時にガッカリしてしまわないかと複雑な思いだった。 【写真3枚】この記事の写真を見る
原作の主人公・整は長身でアフロ頭がトレードマークの大学生。名推理を見せるが淡々としていて、ちょっと浮世離れした印象さえ与える。そうした特徴から、実写キャスト候補の名前はさまざまに飛び交っていた。同じくアフロで優しげな雰囲気の渡部豪太さんを筆頭に、色白で長身の坂口健太郎さんや岡田将生さんなど。みな固定化されたイメージがなく、いい意味で「クセのない」俳優が頭にあった原作ファンは多いことだろう。 一方の菅田さんは「クセのある」俳優だ。正確に言うなら、クセのある存在感を出すのが上手い役者である。だからどちらかといえば、オリジナル脚本で威力を発揮するタイプではないか。ドラマで言うと今クールの「コントが始まる」、昨年の「MIU404」、そして、その名を一躍有名にした2019年の「3年A組-今から皆さんは、人質です-」。年初に公開された映画「花束みたいな恋をした」も、コロナ禍ながら異例の大ヒットに。来期の大河「鎌倉殿の13人」でも、源義経役で出演が予定されている。確かに主演級の出演作が続いているので「また菅田将暉」と感じるが、こうしてみると主役も脇役もこなしている。出る作品が全て話題になるので名前が目立つというだけで、それは高い演技力の裏返しと言える。確かに原作イメージとは違う印象もあるが、原作ファンを唸らせる主人公像を作り上げることは間違いないだろう。
同じように名前が挙げられる女優が、有村架純さんである。同い年である菅田さんによれば「同世代の中で唯一無二のミューズ感」のある女優という。確かに佐藤健さんや仲野太賀さんなど、近しい同業者からもベタ褒めされる可愛さを持つ彼女。でも菅田さんとは逆で、原作ものでのヒットが目立つのが特徴だ。映画「ビリギャル」や「るろうに剣心」の巴役。ドラマでは2018年の「中学聖日記」。それは菅田さんと真逆で、彼女の「クセのない」たたずまいゆえだろう。どんな原作ヒロインにもなじむことができるからこそ、うるさがたの原作ファンも思わず納得してしまう。 そして菅田さんと有村さんに共通するのが、安心なタレントイメージである。演技がどんなにうまくても、私生活で奔放な印象がある役者はアンチもつきやすい。例えば菅田さんと同い年だと、成田凌さんや竹内涼真さんが挙げられるのではないだろうか。彼らにとっては理不尽な批判だと思うが、映画やドラマはお茶の間の反応、ひいてはスポンサー企業の目を意識せざるを得ない。最近では独立する芸能人も増えているものの、その分交友関係や私生活には自律が求められる。危ない橋を渡りたくないテレビ局としては、大手事務所所属ならば安心だと思うのは無理もないだろう。さらに役者としての存在感とタレントイメージの両立となると、どうしても菅田さんと有村さんの使い回しに頼らざるを得ないというのが実情ではないだろうか。
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