早い梅雨入り 5月は日照少なく大雨も 今年の梅雨の特徴と梅雨明け・盛夏の見通し
2021年05月31日16:53
今年は、沖縄や奄美、九州から東海は、梅雨入りが平年より早くなりました。5月の振り返りと、6月から8月にかけての見通しです。
今年の梅雨入りの発表 平年より早かった
5月上旬は、南西諸島付近に、前線が停滞しました。5月中旬は、上空を流れる偏西風が、平年より北を流れるようになり、日本の南では、太平洋高気圧が平年より早く、西へ張り出しました。このため、前線が本州付近まで北上しました。平年より早い梅雨入りになったばかりか、九州や本州付近に、暖かく湿った空気が流れ込みやすく、梅雨の最盛期のような雨の降り方になりました。ただ、5月下旬は、偏西風は南へ下がり、前線は本州の南に停滞するようになりました。関東甲信や北陸、東北の梅雨入りの発表は、まだです。
5月 日照少なく5月として記録的な雨 沖縄は梅雨の中休み
14日ごろから21日ごろにかけて、本州付近に停滞する前線や、前線上を進む低気圧に向かって、暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発になりました。
特に17日は、九州に発達した雨雲がかかり、熊本県山都町で1時間に90.5ミリの降水を観測しました(2010年の統計開始以来、5月として1位の値を更新)。20日から21日にかけては、九州、東海や長野県に発達した雨雲がかかり、佐賀県伊万里市で1時間に61.5ミリ、長崎県佐世保市で57.5ミリの降水を観測するなど、統計開始以来、5月の1位の値を更新した所がありました。21日の24時間降水量の最大値は、長野県御嶽山で290.0ミリ、熊本県水俣市247.5ミリを観測し、統計開始以来、5月の1位の値を更新しました。水俣市では、たった1日で、平年5月ひと月分の雨量187.2ミリを超えました。
一方、沖縄では、5月1日から30日までの降水量の合計は、西表島で49.0ミリ、波照間島は36.0ミリなど、平年5月ひと月分の30%未満の所がありました。強い日差しが照り付けた日も多く、石垣島では、10日から31日まで、最高気温が30℃以上の真夏日が続きました。5月に11日以上連続して30℃以上になるのは、1991年の5月20日から31日以来、30年ぶりです。波照間島では、24日の最高気温は34.0℃を観測し、統計開始以来、5月として1位の値を更新しました。
6月~7月の降水量は平年並みか多い予想も 梅雨明けどうなる?
6月は前線の北上が早く、前線の活動が活発になりやすいでしょう。関東甲信や北陸、東北も平年と大きく変わらず梅雨入りになりそうです。九州から関東の降水量は、平年並みか多いでしょう。本格的な梅雨になります。大雨に備えて、ハザードマップや非常持ち出し袋の確認などをしておきましょう。なお、沖縄や奄美の平年の梅雨明けは、6月下旬です。
7月は前線が平年より北に位置しやすく、日本の南では太平洋高気圧の西への張り出しが強い見込みです。沖縄や奄美は、夏真っ盛りになるでしょう。九州から東北では、梅雨末期の大雨に警戒が必要な時期です。7月の特徴は、梅雨のない北海道で、平年に比べると曇りや雨の日が多いことです。北陸や東北、北海道の降水量は、平年並みか多いでしょう。
平年の梅雨明けは、九州から関東甲信は7月中旬、北陸や東北は7月下旬です。
8月 盛夏 平年同様に暑い夏
8月は、日本の南で、太平洋高気圧の西への張り出しが強い一方、北への張り出しは弱いでしょう。沖縄や奄美は、夏空が広がる日が多い見込みです。九州から関東、北陸も、平年と同様に晴れる日が多いでしょう。ただ、気圧の谷や湿った空気の影響を受ける時期があり、急な雨や雷雨が多くなる可能性があります。東北や北海道は、天気は数日の周期で変わるでしょう。
平均気温は、沖縄や奄美は平年並みか高く、九州から北海道は平年並みの予想です。真夏らしい暑さになるでしょう。万全な暑さ対策が必要です。
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