
今年、バービーさんがパーソナリティを務めるラジオ番組がスタート。いとうせいこうさんがゲストとして登場した回は、バービーさんの質問の真意がうやむやのまま、タイムアウトに。その日聞けなかったことから、2人の創作への意気込みまで、清水ミチコさんが引き出します――(撮影=大河内禎) 【写真】女性ふたリと語り合ういとうせいこうさん * * * * * * * ◆ラジオで聞きたかったこと いとう バービーとは、ラジオのゲストに呼んでもらってはじめて会ったんだけど、もう僕の話なんか全然聞いてないの。 バービー ラジオはどうも自分が見透かされるような気がして、まだ慣れないです。 清水 いとうさんのどんなところに興味があったの? バービー 私、ずっとサブカルに憧れがありまして。そのなかでもいとうさんは、「おしゃれサブカルおじさん」をずっと続けてらっしゃるじゃないですか。 清水 やってるのか、「おしゃれサブカルおじさん」を。(笑) いとう そんなもの目指してやってるわけないじゃないですか(笑)。結果的に、ですよ。 バービー 私の世代にとって、いとうさんは何十年も変わらず、「おしゃれサブカルおじさん」のままなんです。それってすごいことだなと思っていて、その秘密を聞いてみたかったのに、ラジオでは最後の最後で時間切れになって。 いとう いや、時間がないのに最後に変な話をぶっ込んできたのよ。 バービー 「サブカル女たちに大人気でしたよね? 玄関に髪の毛が入ってたりしませんでしたか」って聞いたことですか。 いとう 「ファンにモテた」と思ってるみたいだけど、幻想ですよ。
◆ファンとの距離感 バービー 私が言いたかったのは、サブカル好きな女性のなかには、「いとうせいこうさんと私は、絶対に気が合う」って思い込んじゃうタイプがけっこういたんじゃないか、ってことなんです。 清水 ああ、なるほど。「私を理解してくれるのは、いとうさんだけだ」っていうファン心理ね。 バービー そういう、ちょっとメンヘラな感じの女子たちが、結果的に寄ってきたんじゃないかと。 いとう 失礼じゃないか、人のファンをメンヘラ扱いとは。(笑) バービー そのメンヘラたちにどういうことをされたのか、に一番興味がありました。 清水 どんな目に遭ったの? 興味あるわあ。 いとう 期待外れで悪いけど、まったく大丈夫でしたね。「好きだ」と言ってくれる読者に、僕から踏み込むことはないですし、それこそ読者のほうも、距離を取って接してくれてたと思うから。 清水 言われてみれば、いとうさんって、必要以上に他人に踏み込まない印象があるかも。それは、いとうさんの性分だろうけど。 いとう そもそも、僕は座持ちが悪いんですよ。「読んでくれてるんですか。どうも」って言って、そこで話が終わっちゃう。そのあと相手としーんとしているの、切ないじゃないですか。 バービー でも、突き放せば突き放すほど、ついてきちゃうファンはいますよね。 いとう ある一定の距離をずっと保っていると、「いとうさんって、踏み込みすぎると機嫌を損ねる人なんだな」って感じ取ってくれるようになる。相手から慮ってくれるのはありがたいことだし、たまにちょっと気さくな面を見せると、逆にすごくいい印象を持ってもらえるから、ちょうどいいんだよ。
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