本格的な作り方はヨソのレシピサイトに任せましょう
かたまりの肉をカキーンと調理してガツガツ食べる快感というのはあるものでして。
ここ『メシ通』でもチャーシューやローストビーフなんかのブロックレシピがたくさんございます。
かたまり肉には逆らい難い魅力がありますよね。
たとえば紅茶煮。豚のかたまり肉を紅茶で煮る。それが紅茶煮。
紅茶の香りで臭みが抑えられ、静かにゆっくり煮るので肉が柔らかいという噂の逸品。
なにげに「ごちそう感」があるお料理ですが、みなさん難しく考えてないですか。
「まずはティーバッグから紅茶を煮出します」などと申されましても、当方めんどくさい気持ちであります。
そんなのめんどくさいのであります。
コンビニやスーパーにはペットボトルの紅茶があるじゃないですか。
砂糖も入っているので浸透圧とかがうまいこと働いて便利な気がします。
「ティーバッグから煮出す」という本格的な作り方はどこかヨソのレシピサイトに任せて、こっちはこっちで簡単に作っておいしくいただきましょう。
かたまりの豚肉を鍋にドンと入れて、ペットボトルの紅茶をドボドボ入れて、コトコトと煮るだけ。
そして好みのタレに一晩漬けて完成ですよ。
材料
- 豚バラブロック、豚肩ブロック 適量
- ペットボトルの紅茶(加糖タイプ) 肉が浸る量
タレ(量は肉の大きさによる)
- しゃぶしゃぶ用のごまだれ 市販のものをそのまま使う
- いちごジャム+醤油 1:1の比率で。お好みでいちごジャムを多めにしても
- 粒マスタード+ポン酢 1:1の比率で
作り方
① 豚のブロック肉をペットボトルの紅茶で1時間、弱火で煮る
② 好きな味のタレに漬けて一晩置く
豚のブロック肉、肩でもバラでもいいです。鍋にドンと入れます。
ペットボトルの紅茶をひたひたになるまで入れます。
フタして、弱火で1時間煮ます。
沸騰し始めるとアクが出るので、なるべくしっかり取り除きましょう。臭みのもとです。
見たまえ、紅茶に含まれるタンニン由来の赤黒さ。
串を刺して濁った汁や血が出なければ完了です。
煮た豚肉をタレに漬けることで、味を入れる段取り。
今回は3種類のタレを用意しました。記事作成のため切り分けましたが、みなさんは好きにしてください。
いずれも、漬けダレは肉が漬かるくらいの量を使います。保存用ジッパー付きバッグに入れたら、空気を抜いて冷蔵庫に保管しましょう。
タレ
- しゃぶしゃぶ用のごまだれ
- いちごジャム+醤油
- 粒マスタード+ポン酢
ごまだれ
おなじみの味。ハズレ無しの安全牌です。
ビンからそのまま使いましょう。
いちごジャム+醤油
俳句で言う「二物衝撃」です。
キモチワルイと思うかもしれませんが、大丈夫。甘じょっぱいクラスタの味ですよ。
ジャムと醤油の割合は1:1。醤油が勝つと「マズいチャーシュー味」になるので、ビビらずにジャムは多めにしましょう。
粒マスタード+ポン酢
人類史上、マスタードと豚肉の相性は証明済み。肉が浸りやすいようにマスタードをポン酢で伸ばすイメージです。
マスタードとポン酢の割合も1:1です。
これら3つの味のほかに、タレではなく紅茶の煮汁に漬けたプレーンタイプも用意しておきます。
冷蔵庫に入れて一晩待ちます
はい。夜になり、朝になった。第2日であります。
肉の様子と味を見ていきましょう。
プレーン
みしりと噛むと想像以上の紅茶の香りを感じます。
柔らかいんだけど、みっちりした歯ごたえに、しっかりと肉食ってる快感があります。というか「肉はとにかく柔らかければいい」という価値観が進むと、終いにはミンチを飲めばいいみたいになってきちゃいそうじゃないですか。
それは人類にはまだ早いです。ブロック肉ゆえの歯ごたえ、いいですよ。
で、実はかたまり肉を切る手応えも満足度高いんすよ。
刃を入れるとグッというコシがあり、切り口は完全にフラット。
きーもちいい。これは意外な楽しみでした。
さらにプレーンにはエクステンドなお楽しみもあるんですよ。
中華ペーストで野菜と一緒に炒めるだけでバツグンで本格的なオカズになりますし。
このように丁寧な暮らしをすることもできます。
ごまだれ
歯ごたえは言うまでもないです。
今回、たまたまバラ肉なのが良かったです。厚めな脂肪層がしっとりとしたうま味なんですよ。
味はですね、まずトップにごまの風味がきまして、皆さんご存知のごまだれのうま味がどっしりと入りまして、ラストノートとして紅茶の香りが残る。
おしゃれでさわやか。意外でしょ。
いちごジャム+醤油
もちろん甘みが効いてるんですが、奥まで甘いんですよ。
これが浸透力かと驚くべき事象です。
いちごジャムと醤油、合わないと思うじゃないですか。
紅茶がそこをバインドするんですよ。味としては「あまじょっぱいクラスタ」の端っこになるんですが、いちごのフルーツっぽさと紅茶の風味が強引に結びつくんです。
勝手に。自動的に。午後のティータイムの豚肉になるんです。
これが想定外に上品でして。ここだけの話、いちごジャムと紅茶の組み合わせはロシアンやイングリッシュを狙ったんですが、どっち寄りですかね。
皆さんもこれ、試してみて英露のどっち味だったか教えてほしいです。
粒マスタード+ポン酢
香りはトップノートがマスタード、ラストノートがレモンティー。まさかのレモンティー。
これは意外な副産物でした。豚とマスタード、合うわー。で、ポン酢の塩気がちょうどいいんす。
で、この肉、パンにはさむだけで気の利いたサンドイッチになりました。便利グッズですわ。
おつまみとして
ひとくちサイズにスライスしてチーズと盛り合わせておつまみにしたぞ。
肉の円形加速器、味のサイクロトロンやー。
3つの味がそれぞれ違う方向においしいので加速が効き、飽きがくることなくグルグル食べ続けることになります。
慣れない味のストレンジさもまたチャームであります。
かんたんクックなので軽率に試してください
紅茶煮のブロックが冷蔵庫にストックされているという事実は、生ハムの原木が家にある心強さに似ています。生ハムはスライスパックでしか買ったことありませんが。
きっとそうです。
手作りなので日持ちに関しては要注意。2~3日で食べきる気持ちでおねがいします。
ペットボトルの紅茶は便利なのもありますが、そもそも赤い缶に入った紅茶を勝手に使うと妻に怒られるんですよ。
書いた人:鷲谷憲樹
フリー編集者。ライフハック系の書籍編集、専門学校講師、映像作品のレビュアー、社団法人系の広報誌デザイン、カードゲーム「中二病ポーカー」エバンジェリストなど落ち着かない経歴を持つ器用貧乏。
からの記事と詳細 ( かたまり肉を煮て食らう。たった二手で完成する「豚肉の紅茶煮」を試して欲しい - メシ通 )
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